前夜

 

「岸くんがいればグループなんてどこでもいい」

到底今の自分からは信じられないけど岸くんを好きになった当初確かに自分の口から発した言葉。

 

岸くんを好きになったきっかけは完全な一目惚れだった。とにかく顔が好きでこんなかっこいい子がいるのかってあの時は雷に打たれるような衝撃だったなぁ。それ以来ネットで色んな事を調べ漁って動画を見てエピソードを調べてキャラクターや人となりを知って、クレイジーアクセルの歌詞があんなに似合う人間は私くらいなのではと本気で思うくらいの加速度だった。担降りを決意した日の本能のザワつきと衝動は多分後にも先にも経験することはないと思う…。

元々大倉担だった私はそれまでJr.に関して疎かったし覚えるための最低限の興味も無かった。名前と顔がちゃんと一致してるのなんて安井くんとジェシーくらい(逆になぜこの2人だけ認識してたのか謎)。当たり前だけどそんな状態で突然一目惚れをブチかましてしまった岸くんは団体やグループの中の1人じゃなくて完全に個人として好きになった存在だった。実際にその時グループに属していなかったのもあって、好きになってからも半年以上岸くん以外に興味がなくて周りの環境にも興味が無かった。

そんな中「Mr.King vs Mr.Prince」の結成とテレ朝夏祭りの応援サポーター就任が発表された。素直に岸くんに大きな仕事が来た事が嬉しかったけどクリエAのメンバーが正式なグループになった事に対しての周りの反応はもっと複雑で、「セクボ」「なにきん」の単語を沢山目にしてそれを望む人の多さを知った。当然私はその時代を見てないし知らないから、いくら後から勉強したって思い入れなんてなくて 自分にとっては嬉しいニュースなのに否定的な意見が多いのが理解できなくて、けれどそれと同時に自分がその感情を持てない事に寂しさもあった。この記事の冒頭のセリフはその時に「否定的な人が多いけど自分は応援するよ」って宣言みたいに言った言葉。無神経にそんなことを発信してた自分が恐ろしい…。誰かの目に止まって死ぬほど不快にさせてたかもしれない。

岸くんを好きになってから初めてできたキンプリというグループを好きになるのに時間はかからなかった。勝利サマパラや特別公演で6人それぞれの個性と魅力を知って、MCは涙が出るほど面白くて毎日流れてくるレポすらも面白かった。それなのに6人のステージは見た事ないくらいギラギラしててとにかく強くて鳥肌が立った。テレ朝ジャックとかマツダオールスターも何回見返したかわからない。会見の時、WSでも期間限定ユニット説とそのまま継続する説があって、そこらへん曖昧なまま過ごしてたからサマーステーションの明るいメロディーに乗せた「いつかこの景色もあの蜃気楼のようにユラユラと静かに消えてくけど」なんて切なくて儚い歌詞があの夏にはとても似合っていた。

これでこの6人を見られるのは最後かもしれない、絶対にこの眼球に焼き付けないといけない、そう思って特別公演の最終日は臨んだから、キンプリの継続発表とじぐの「またすぐ会えるよ」って言葉が本当に本当に本当に嬉しかった。その足で入ったトリキで「秋冬あたり単独でコンサートやる気がする」などと勝手に推理しながら飲んだビールは格別にうまかった。その翌日Mステをテレビの前で正座して見た。階段を降りてくる岸くんの笑顔と6人の晴れ姿がキラキラしてた。

 

継続発表をして最後にMステに出たっきり、少クラや雑誌は10月くらいまでは一緒だったけどキンプリとしての活動はなくなった。勿論勝手に推測してた年末の単独コンサートのお知らせも来ないから「またすぐ会えるよ」の「すぐ」が結構遅いんだなぁなんて呑気な事を考えてた。そんな時早売りで流れてきたポポロの雑誌で括りが「Sexy King」と「岩橋&神宮寺&岸」になっていて、察しの良いジャニヲタ達が「キンプリ解体」と騒ぎ始めた。私は信じたくないし受け入れられなくて、一時的に分かれてるだけで解体なんてしてないって思ってたからキング3人だけがジャニワのポスターにでっかく載っているのを見てオタクたちが嘆いていても3人が干されてるとは思えず大して悲観はしていなかった。だけど待てど暮らせどキンプリのキの字もなくて、3人の仕事もなくて(岸くんは黒崎くんの公開があったけど)、少クラはあの夏は6人並んでたのがいつのまにかキング3人とその他大勢の構図に変わってしまったから、流石に自分もキンプリの解体と干されてるっていう事実を認めざるを得なくなった。3人が後ろの方で踊ってるのが悔しくて悔しくてたまらなくて、なんでどうしてプリンスだけって思って。そんなプリンスと対照的に仕事があって変わらず最前線に居続けられるキングが羨ましくて妬んでしまっていた。何も悪くないのに。

そんな状態が数ヶ月続いてプリンス担全体的に病んでた頃、Mステでセクゾの「カラフルeyes」にプリンスの3人が横からひょこっと現れた時はびっくりして家で叫んだしツアーのバックにつく事を確信して本当に嬉しくて、巻き戻しボタンを押す手が止まらなくて気が付いたら朝を迎えてたりしてあの時は久し振りに生きてるって感じがした。

そこからはウェルセク、野球大会と立て続けに現場が続いた。真夜中のプリンスが発表された。5月の頭にジャニフワが発表された。今から振り返ると一瞬だったけど、野球大会で8ヶ月ぶりに6人並んでサマーステーションを歌ったのを皮切りに1週間くらいキンプリ復活ウィークみたいなのがあって、Mステやウェルセクで6人でBTN披露したりしてた。あの時は予告の時点で「Mr.KingとジャニーズJr.」名義で曲名がBounce to Nightだったから、そこにいないのは嫌だけどいたらいたでその他大勢扱いも複雑だしで1週間モヤモヤしてて、当日仕事してたけど怖くてツイッターを開けずに走って家帰って手も洗わずに付けたテレビでプリンスの3人が合流して一列に並んでるのを見て嬉しくて涙が止まらなかった。

一度は解体を受け入れたのにそんな事が立て続けに起こったから私はまたやっぱり一度解体させたのはいつか合流させるための壮大なシナリオでこれからまたキンプリが復活するんじゃないかっていう期待を持つようになっていた。

5月になってクリエが開幕した。PrinceはFだった(これも2月くらいに発表された時はキングが同じ土俵にいなかったりプリンスがAじゃない事がいちいち悔しかった)。事件が起こったのは5/14昼公演、うまく言葉にできないけどキンプリの解体を根に持ったりキングの事を妬んでしまったりいつか復活するんじゃないかって現実逃避してた自分を変えてくれた公演だった。あの一体感もWアンコの3人の勝つんだWINも鳴り止まない歓声と拍手も全部一生忘れない。

後に雑誌でクリエやウェルセクの前に3人で話し合いの場を設けた事が明かされた。気持ちを仕切り直してここからまた3人でやっていくぞっていう決起集会のようなものだったと語ってくれた。本当にその気持ちが直に伝わってくるステージだった。それからはいちいち比較したり立ち位置に文句を言ったりそういう卑屈な気持ちはなくなって、素直にPrinceが大好きっていう気持ちで満たされてキンプリの事は自然とあまり考えなくなってた。

 

はっきりいつからだったか覚えていないけど、PrinceがPrinceのファンの事をPrincessと呼んでくれるようになった。最初は小っ恥ずかしい気持ちもあったけど、3人はファンの事をいつも気にかけてくれて行動とか気持ちを汲み取ってくれて、ステージや雑誌の発言で逐一それを伝えてくれて、それが本当に嬉しくて。いつだってまっすぐに愛してくれたからいつのまにか恥ずかしさなんてなくなってたしPrinceに「Princess」って呼ばれるのが大好きになってた。「Princessはどのグループのファンより最高」ってよく言ってくれてて、私自身もPrinceの現場は凄く居心地がよくて空気があったかくて愛に溢れてて大好きだったけど、そんな空気感があったのも勝手にそうなったんじゃなくて全部Princeの3人がそういう空間を作ってくれたからで。3人の背中を追いかけるんじゃなくて毎回振り返って手を伸ばして一緒に進んでくれるPrinceが本当に大好きだったなぁ。いっぱい愛をくれてコンサート中どれだけありがとうって叫んでも足りないくらいいつも感謝の気持ちでいっぱいだった。

最初は岸くんさえいればそれでいいって思ってたはずなのに岩橋も神宮寺も岸くんと同じくらい大好きになってたしPrinceというグループが自分の中で何より1番大切になってた。ジャニフワもサマステも湾岸もプリンスホテルも、Prince Princessも描いた未来もYou are my Princessも、他にも書き切れないけど一個一個が全部大切な宝物みたいな思い出。

Princeを好きでいられて、Princessでいさせてくれたこの2年間、ほんっっっとうにずーーーーっと幸せだった!あんなにキンプリの解体を受け入れられずに亡霊になってた自分が、他でもないそのキンプリでデビューするっていう前日にとてつもない寂しさを感じてしまうくらいに、Princeが3人のいる場所を大好きにさせてくれたから、私はこれから今まで以上にKing&Princeというグループをもっともっともっと大大大大大好きになるんだろうな。

明日からはPrinceがPrinceだった2年間の幸せな思い出は宝箱に大事にしまっておこうと思います。Princeがくれたものは絶対に無かった事にはならないし絶対に忘れない。

 

 

今まで本当にありがとう。Princessにしてくれてありがとう。幸せにしてくれてありがとう。

 

そしてKing&Princeデビューおめでとう。これから一生よろしくね。愛してます。